- フィリピン中…
フィリピン中央銀行は8月15日の金融政策決定会合で、政策金利の翌日物借入金利を0.25%引き下げ年6.25%にすると決めた。
利下げは、2020年11月以来、3年9か月ぶり。同行のレモロナ総裁は6月の決定会合後の記者会見で「7~9月の利下げは可能」と述べていた。
今後の物価見通しについて委員会声明は、7月の消費者物価指数は前年同月比4.4%上昇とインフレ目標を上回ったことにも触れつつ、「7月の上昇にもかかわらず、政府の目標範囲である2~4%の範囲内で下降傾向にあると予測される。2024年と2025年のリスク調整後インフレ率はそれぞれ3.3%と2.9%となる」との見通しを示した。
フィリピン中銀は年内にあと2回の決定会合を控えるが、レモロナ総裁は「年内にさらに0.25%引き下げる可能性がある」とコメントしている。
(2024年8月16日)
- フィリピンの外貨建発行体格付を「BBB+…
日本の格付機関である格付投資情報センター(R&I)は8月14日、フィリピンの外貨建発行体格付を「BBB+」(ポジティブ) から「A-」(安定的)に引き上げると発表した。
「政府と民間による積極的な投資、ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)に代表される国内産業の発展、人口増などを背景に、経済の安定成長と所得水準の継続的な上昇が見込まれる」ことを引き上げの理由としている。フィリピン産業の今後については、米国が半導体サプライチェーンの構築でフィリピンを重点地域の一つに挙げていることから、この分野での投資の拡大も期待されている。
参考資料-ニュースリリース
(2024年8月15日)
- BDOユニバンク 純収入12%増の1,…
BDO(Banco de Oro)は、フィリピンで幅広いサービスを提供する総合銀行であり、フィリピンで最大かつ最も成功したコングロマリットの一つであるSMグループの一員として、全国に1,700以上の支店と5,500台以上のATMを持ち、最大の配信ネットワークをもっている。また、香港とシンガポールのフルサービス支店を含む16の国際オフィスを、日本を含めてアジア、ヨーロッパ、北米、中東に展開しており、SMグループのシナジーを活かして預かり資産、店舗数、顧客数はトップを確保している。
BDOは7月29日、2024年上半期の事業報告書を公表し、2024年上半期の純益は前年同期比12%も増加し1,428億ペソと好調だ。
フィリピンは金利も上昇していた背景もあって融資貸出の金利ギャップが大きく金利収入は11%増の996億ペソとなった。そのほか各種手数料、保険料収入、証券売買益、為替などの非金利収入も好調で13%増だった。
BDO銀行の主要な商品およびサービスは、法人および消費者向けの貸付、預金業務、外国為替、ブローカー業務、信託および投資、クレジットカード、リテールキャッシュカード、企業のキャッシュマネジメント、送金など。海外にも支店が多く存在して現地の子会社を通じて、投資銀行業務、プライベートバンキング、リースおよびファイナンス、地方銀行業務およびマイクロファイナンス、生命保険、損害保険ブローカー業務、オンラインおよび従来型の株式ブローカー業務も提供している。OFWで活躍するフィリピン人を支援する一翼を担っている。
(2024年8月2日)
- 三菱UFJ、フィリピン決済GCashに出…
三菱UFJフィナンシャル・グループは2日、フィリピンのスマートフォン決済最大手グローブ・フィンテック・イノベーションズ(Globe Fintech Innovations, Inc. 以下「GFI」)に3億9300万ドル(約630億円)を出資すると発表した。
GFIはフィリピン最大級の財閥・アヤラグループ(Ayala)及びフィリピン最大の携帯電話キャリア、グローブテレコム(Globe Telecom)傘下で、E-Wallet「GCash」ブランドを運営している。
(2024年8月2日)
- 入国管理局長官、POGO労働者の出国を求…
入国管理局のノーマン・タンシンコ長官は7月24日、フィリピン・オフショア・ゲーミング・オペレーター(POGO)とインターネット・ゲーミング・ライセンシー(IGL)の全労働者は、60日以内に出国する必要があると述べた。
マルコス大統領が22日の一般教書演説でPOGOと呼ばれる国内のオンラインカジノについて、「合法的な事業体を装って、金融詐欺、マネーロンダリング、売春、人身売買、誘拐、残忍な拷問、さらには殺人など、賭博とは最もかけ離れた非合法な分野にまで踏み込んでいる」と述べ、閉鎖すると表明したことを受けた動き。
タンシンコ長官によると、今後2ヶ月の間に、同産業で働く約2万人の外国人労働者が出国する見込みだという。
(2024/07/25)
- 再エネ事業者 …
2024年7月16日に上場された再生可能エネルギー事業者ネクスジェン・エナジー(NexGen Energy Corp. 証券コード:XG)は、1.71ペソで初日の取引を終えた。公募価格は1.68ペソ、初日高値は1.84ペソ。
主な事業は、子会社を通じた太陽光発電施設を運営(計13.8メガワット)や太陽光発電プロジェクトおよび風力発電プロジェクトのパイプラインの所有である
(2024/07/18)
- ジョリビー、韓国大手コーヒーチェーンを買…
フィリピン外食大手ジョリビーフーズ(Jollibee Foods Corporation。証券コード:JFC)は7月2日、子会社の ジョリビーワールドワイドが韓国大手コーヒーチェーン・コンポーズコーヒーの70%の株式を取得する正式契約を締結したと発表した。買収総額は約3億4,000万米ドル。
この買収により、JFCの収益は2%増加、店舗数は34%増加(2,600店以上)する見通しという。JFCの店舗ネットワークは10,000店舗に近づき、そのうち66%以上がフィリピン国外となる。
(2024/07/18)
- 6月末までで1社のみとIPO数が減少。伸…
フィリピン証券取引所(PSE)の上場企業数は増えてない。
毎年3社から8社前後のIPOがあったのだが、上場廃止も同じく発生しているので上場企業の総数は2018年の270社から現在まで290社足らずを行ったり来たりしている状態が続いている。
とくに2023年に関しては上場廃止が6社もあった。パンデミックの影響で経営が悪化したうえに、BigCHill社(フランチャイザー)のようにIPOの承認があっても白紙や延期にした企業もあったためだ。
2024年6月14日時点のPSE上場企業数は284社。2023年末の283社から1社の純増にとどまっている。PSE全体での現在の時価総額は約17兆3000億ペソ程度と伸びてない。2024年第1四半期の上場企業数の1社純増は、新規上場が2社あった。
反対にアヤラランドがセブ ホールディングスを吸収合併したことで、3月1日に上場廃止となったので結果として上場企業は純増は1社しか増えてない。
なお、2024年は5月に鉱山企業オセアナゴールド フィリピン(OGP)と、6月に再生可能エネルギー企業であるシティコア リニューアブルエナジーの2社がIPO済みだ。
6月末時点での上場企業数は284社となる。
しかしながら、IR(カジノ・娯楽関連企業)のプレミアム レジャー コーポレーション(PLC)が、2024年7月9日付けで上場廃止を申請していることがリリースされている。
上場企業の増加はフィリピン証券市場の成長に不可欠。口座数も2023年には人口に対して2%を超えて200万口座を超えた。
今後の株式ブームを作るには人気のIPOが必須だろう。2024年上半期のIPOは2社にとどまっている。
中国との軋轢から地政学リスクも高まり、さらにインフレ懸念、利下げ先送りで市場が回復するにはまだ時間がかかりそうだ。
(2024/06/21)
- Citicore Renewable E…
2024年6月7日に上場された再生可能エネルギー事業者Citicore Renewable Energy Corporation(CREC)は、2.70ペソで初日の取引を終えた。高値は2.78ペソ。
CRECの事業内容は太陽光、水力、風力の発電プロジェクトの管理・運営で、太陽光発電の設置容量ではフィリピン第2位(2022年12月31日現在)。また、2022年に上場された再エネREIT・Citicore Energy REIT Corporationのスポンサーの1つでもある。親会社はCiticore Power Inc.
(2024/06/07)
- 電子マネーGCashが株ブームを演出か?…
フィンテックの大手GCashとその株式取引プラットフォームの影響により、フィリピンでは現在、中所得層を中心に株式トレーダーが増加中だ。
フィリピン証券取引所(PSE)の発表では2023年末時点で株式市場の口座数が190万以上となり、新記録を達成したと5月29日(水)に発表した。2022年の170万アカウントから11.3%増加し、193,285アカウント増えたことになる。
PSEによると「この成長は主に、Gcashが証券会社に提供する「GStocksPHプラットフォーム」を通じて新たに開設されたアカウントによるものであり、これによりオンラインアカウントの割合が全体の80%に押し上げられました」とPSEが発表した。
なお、弊社で2019年にPSEに取材した際のターゲットは日本並みで人口に対して10%以上を目標にしていた。現実性がでてきたようだ。
(2024/06/06)
- 30日フィリピンペソ、19カ月ぶりの安値…
2024年5月30日のペソ対米ドル終値は、1ドル=58.635ペソと前日終値58.420ペソから0.215ペソ下落した。出来高は、前営業日比1%減の13億8,715万米ドルであった。
市場筋の米国のインフレ観測で米国長期金利が上昇。あわせてドル高となった。終値ベースでは、2022年11月3日の58.800ペソ以来、約19カ月ぶりの安値へと下落した。
6月中に2022年10月の過去最安値である59ペソに挑戦するか懸念される場面がありそうだ。
(2024/05/31)
- 19カ月ぶりの安値に、30日の終値58.…
2024年5月30日のペソ対米ドル終値は、1米ドル=58.635ペソで、前営業日の58.420ペソから0.215ペソ続落した。
加重平均レートは、1米ドル=58.620ペソで、前営業日の58.286ペソから0.334ペソ続落。出来高は、前営業日比1%減の13億8,715万米ドルであった。
米国利インフレ長期化観測による米長期金利上昇、それに伴うドル高の流れ波及、地政学的リスクなどにより、ペソは終値、加重平均ともに続落した。
終値ベースでは、2022年11月3日の58.800ペソ以来、約19カ月ぶりの安値へと下落した。
今年4月末の57.760ペソからは1.49%下落、2023年末の55.370ペソからは5.57%下落。
そして、2022年10月に記録した過去最安値である59ペソが視界に入ってきた。
- セブパシフィック航空、8月にマニラ⇔高雄…
格安航空(LCC)最大手のセブ航空(証券コード:CEB、ブランド名:セブパシフィック航空)は、5月30日、台湾の高雄への直行便を就航させると発表した。国際ネットワーク拡大戦略の一環である。
Cebu Air,inc(セブパシフィック航空)は最安値を更新中。5月31日時点で26.5Pまで下げており、パンデミック時の最安値を更新している。
セブパシフィック航空は、フィリピン国内では35都市。アジア、中東など国際線では24都市に就航している。暴落の背景には、世界的なインフレによる燃料費高騰、人件費高騰、いまだにパンデミックの前の便数と利用者数までふえていないことで売り上げが回復していない。徐々に、便数も増えており、2024年8月16日より新規でマニラ⇔高雄便で週3便を新規運航する予定だ。今後の回復状況を注視したい。(2024/05/31)
- 春から始める…
銀行セクターレポートを配布
フィリピンは先週からハードロックダウン。株価も軟調になっています。4月1日はホーリーウイークということもあって、外出制限をかけておきたいいようです。意図はワクチンの配布前に第三波を封じ込めてワクチン実施するという戦略のようです。
さて、QEインフィニティの世界的な波にのって株式市場は復調してきました。しかしこの政策も永遠かつ無制限にということはありえません。先週のFRBパウエル議長の発言でも最大でも「年内」という見込みが強くなってきてます。
いますぐテーパリング(QEの逆で金融引き締め)への政策転換はやらない。とパウエルさんは釘を刺しましたが、逆にとらえると「いつかテーパリングをやる」といっているわけです。それは年末まで引っ張るのか?もっと早いか?だけの違いです。いずれにせよ、会員の皆様にお伝えしたいのは「テーパリング」が始めると儲かる業種はなんなのか?という視点です。
- ASEAN6の2020年のGDP成長率は…
フィリピンは過去75年で最悪の経済成長
GDP大きな反転成長は見込めるがインフレ懸念もくすぶる
JETROの2/19発表にて、ASEAN全域で2020年は最悪の経済状況だったことが浮き彫りになった。
ASEAN主要6カ国(シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、ベトナム、インドネシア)の2020年の実質GDP成長率はCOVID19が大きく影響しておりベトナムを除いた5カ国で、2020年の成長率でマイナス成長となった。また、ベトナムを含め6カ国ともに過去20年で最悪の低成長となってしまった。
もっとも感染の被害が少なかったベトナムが2.9%と唯一のプラス成長を記録。フィリピンに関してはもっとも人口当たりの感染者数が大きかったことが経済成長に悪材料となっていることが明白で、ASEAN最悪のマイナス9.5%となった。
観光業、空輸、海運産業が大きいタイは大きく停滞し、移動制限措置が長期にわたって実施されているフィリピンやマレーシアでの悪化が目立った。
フィリピン関しては統計観測を開始した1946年以降の過去75年で最悪の成長率を記録した。
■20年の反動でフィリピンは大きく経済が成長する!?
IMF、世界銀行、ゴールドマンサックスなどの発表によると20年度はASEAN最悪の経済成長だったフィリピンが再び21年は大きく回復する見込みとの集計発表している。